見出し画像

【コンペ#08】SAWATAウッドデザイン賞2023 SAWATAウッドデザイン大賞・特別賞・社長賞 受賞!!

SAWATAウッドデザイン賞2023

第3回SAWATAウッドデザイン賞2023は、防府市に本社のある澤田建設株式会社が主催する、大学生、高専生、高校生を対象とした、木材を主として利用した防府市にある佐波川に、一休みや雨宿りができる場所として【佐波川レストエリア】のアイデアを競うものでした。

今回のSAWATAウッドデザイン賞ではこれまでで最大の5校、計16作品の応募をいただきました。様々な学校行事、課題のある忙しい中、数多くの応募を頂き、誠にありがとうございました。
応募のあった作品に関してはまず、全職員による一次審査をさせて頂き、その後木材推進担当及び社長による二次審査をさせていただきました。

澤田建設様より

土木建築工学科5年 渡邊高弥さん SAWATAウッドデザイン大賞受賞!! 大賞の受賞は第1回に引き続き2度目の快挙!

【おおきな、とうぼく。】

CONCEPT

佐波川の大らかさを受け継ぎながら、木の魅力を様々な手法で感じさせる倒木風 のレストエリア。

アピールポイント

薄い木板をいくつも並べると、1つの大きな木の曲面ができること、また凸凹した 表面が水に侵食された木のように見えることに気がつきました。このデザインな ら、とてつもなく大きな木から自然の営みの大きさを感じさせたり、逆に自然の営 みの中にある小さな存在を感じさせたりできると考えました。木の曲面の後ろの構 造体は、佐波川の土手の景色に溶け込むように、また木の曲面との対比を作りそ の良さを際立たせるために黒色のコンクリートを用いています。さらにステンレス 鋼の屋根はいつもの風景の中に新たな景色をつくり、土手を歩く時の新たな楽し み方を生み出してくれます。加えてウッドチップをクッション材として用いたベンチ では、木の意外な使い道と新たな楽しみ方を提案しています。このように木の魅 力を様々な手法で引き出そうと試みた作品です。

大賞おめでとう!

受賞コメント

佐波川にはリフレッシュしによく行くので、今回の結果は本当に嬉しいです!これからもみんなをワクワクさせるような提案ができるよう頑張ります!

YABから取材をうけました!

審査委員からの講評

佐波川の大らかさを受け継ぎながら、木の魅力を様々な手法で感じさせる倒木風のレストエリアというコンセプトで考えられた本作品は、倒木から着想を得たダイナミックな意匠が審査員の目を集めました。しかし意匠だけではなく、細かい部分までよく考えられており、作品のみせ方も含めて総合的なレベルの高さが評価され今回の大賞に選出させていただきました。2年ぶり、2回目の大賞受賞、誠におめでとうございます。

SAWATAウッドデザイン賞 審査講評

土木建築工学科5年 半田貴浩さん SAWATAウッドデザイン特別賞 受賞!! 

【ときいろの縁側】

CONCEPT

「木はその色やあたたかさ、やわらかさで他をやさしく包み、緊張から解き放つ。」 これが私の考える木の魅力である。 佐波川の自然を、家の縁側から見ているかのようにぼーっと過ごせる場所を 木の魅力にのせて、自らもその変化の中にあることを思わせるかたちを表現する。

アピールポイント

佐波川の現地調査に行ったところ、普段は散歩やジョギング、川遊びなどをして いる人がいて、こいわたしやこいながし等のイベントでは仮設テントや大型クレー ン車が設置され多くの人で賑わっていた。「ときいろの縁側」はそのような自由利用をできるだけ妨げないような規模・配置を考えている。 佐波川の景観から感じた「流れ」を造形に取り入れるために、木を曲げる製法 「曲げ木」を用いている。3枚の木板それぞれを変形させ、連結させる。木板を曲げることによって生じた螺旋やヴォールト、反りを利用して、日かげで涼む、坂を登ってみる等の遊具のような自由な過ごし方ができる。

受賞コメント

特別賞をいただけてとても嬉しいです!自分は木が大好きなので作品づくりに取り組む時間がとにかく楽しかったです!
SAWATAコンペには現地調査に行ける良さがあるので、建築学生ならば是非参加してほしいです!!

特別賞おめでとう!

審査委員からの講評

自分の考える木の魅力を、縁側というコンセプトに落とし込んだ本作品ですが、縁側という利用者それぞれの「自由」と自然の「変化」というものを非常に独創的な方法で表現されている点、間伐集成材を曲げ木として利用している点が受賞の決め手となりました。

SAWATAウッドデザイン賞 審査講評

土木建築工学科5年 神代進之介さん SAWATAウッドデザイン社長賞 受賞!! 

【したのそら】

CONCEPT

コンセプトは”うわのそら”という言葉から発想を得たものです。 うわのそらの意味は「他の事に心が奪われて、その事に注意が向かない状態」のことを指します。”したのそら”とはその注意が向いていないものに目を向けるきっかけとなってほしいという意味を込めて名付けました。 注意が向いていないものとは、ここでは川の流れる音、風のささやき、鳥のさえず りなどを指します。今回屋根や柱に間伐材を多く用いましたが、間伐材も日ごろ注目されることはなかなかありませんが、私たちの生活を支える大きな役割を果たして いると考えます。 また、今回建築予定場所として川のすぐそばを予定しているので、川に映った空 を”したのそら”という言葉で表しています。 また、もう一つのコンセプトとして”変化”というものがあります。屋根から漏れる光 の変化、木の種類による触り心地の違い、時間の経過による木の味、そういったも のを楽しんでほしいという意図もあります。

アピールポイント

間伐材の活用方法として集成材や木材チップが主だということを知りました。そこで、今回はあえて未加工の状態の間伐材を上手く活用してみようということで間伐材をそのまま屋根に乗せるという発想に至りました。理由としては二つあります。 一つ目は間伐した木材の利用方法を増やすことです。間伐材について調べてい く中で、間伐した木材の放置が問題だと知りました。そこで、未加工の状態の間伐 材をそのまま使うことで、放置されている間伐材にも価値が生まれるのではないか と考えました。 もう一つの理由は、間伐をする本来の意味にあります。間伐される木は、ほかの 木に光が当たるのを妨げるため間伐されます。それを逆に光が当たるのを妨げる 屋根に使おうという発想です。 こうして屋根として利用した間伐材を一定期間で入れ替え、使い終わった未加工 の間伐材は加工し、新しく未加工の間伐材を屋根にすることで、継続的な間伐材 の利用を促進することができるのではないかと考えました。

受賞コメント

自分なりに考えた木の良さを評価していただいて嬉しいです。これをきっかけに多くの人に木の魅力が広まればと思います!

社長賞おめでとう!

審査委員からの講評

「したのそら」という言葉をダブルミーニングでコンセプトとした本作品ですが、間伐材を素地のまま使用する事で生まれる変化する光と影のコントラストが非常に好評でした。さらに継続的な間伐材の利用方法を提案されている点も受賞の大きな要因となりました。

SAWATAウッドデザイン賞 審査講評

最後に

SAWATAウッドデザイン賞は、今年で3年目になります。1回目から徳山高専の学生が賞をいただくなど、このデザインコンペで多くの経験をさせて頂き、あわせて学生達自身の成長と自信に繋がっています。毎年の開催を心から感謝いたします。
初回から第3回の今回を振り返ると【森林の活性化・林業の発展】県内産木材利用など、澤田建設の企業理念からなる、SAWATAウッドデザイン賞の核となるコンセプトより創案される毎年異なる課題に対して、学生たちは真摯にその【解】について考えてきた3年間だったと思います。
第1回受賞の学生も、当時は高校3年生。今回の受賞作品は彼の成長の過程です。あの時できなかったことが、今はできるようになり、更にもっともっと進化しています。彼らのこれからの成長が楽しみです!
また今回は、麻生建築&デザイン専門学校 建築工学科の3年生、柳井商工高等学校 建築・電子科 建築コースの3年生、山口県立下関工科高等学校 建築工学科 建築コースの2年生など、建築や土木を共に志す学生さんの受賞です。多くの学校がこのコンペに参加して、この夏おなじ【お題】に対して、作品制作に取り組んでいたこと、とても嬉しいです。いろんな提案に本校学生たちも刺激を受けました!
これからも、みなさんと一緒に建築業界を盛り上げていけたらと思っています。来年の開催も楽しみにしています!!ありがとうございました!